その働きを金に換算しろ

「99番の方~。」

長かった、待ちくたびれた、途中、乳児と幼児とおぼしき子供を2人連れたお母さんが中待ち合いに入ってきた時は、もはや拝みたくなるほど心の中で労いの言葉をかけていた。

"まだまだここからが長いんですよ…、子供を2人も連れて大変でしょう、そうでしょう、本当にお疲れ様です、いやね、できることなら順番変わってあげたいんですけどね、でも…わたしも連日大変なことが重なって本当に疲れておりまして…、今回ばっかりは変われません…。本当に…すみません…。"

順番を変わってほしいと頼まれた訳でもないのに、心の中で勝手に話しかけて謝りながら、係員の指示に従い確定申告を済ませた。
どうやら万単位のお金が戻ってくることが判明し、わたしは思わず"時給○○円か…"と自分の苦労を金に換算し、まあ、悪くないな…と思った。(つづく)

子育ての孤島より愛を込めて

確定申告会場に着くと、まだ開場してから30分しか経ってないというのに、受付の発券機から出てきた紙には99番と書いてあった。

あたりを見回し、年寄りが多いな…と何となく思ったが、わたしと同じように子供を抱っこ紐で抱えたお母さんも3人ほどいた。
どのお母さんも朝10時前から疲れた顔をしている。

そりゃそうだ…。
わたしは密かな親近感を覚えながら、不機嫌になり出した次男の尻をポンポン叩いたり身体を揺らしたりしてあやしながら、自分の番号が呼ばれるのを待った。

待つ間、どうもインターネットで事前に書類を作って持参すれば、待たずとも提出できたのではないか?という情報を盗み聞きによって得たが、そもそも家でパソコンをのんびり触って作業することさえ難しいのだ…、今のわたしは何をするにも自由がきかない。
ニュースも流行りの歌もお笑いも、何も知らないし分からない、話題にされてもピンとこない、全てがわたしなど存在しないかのように、すごい速さで通りすぎていく。

次男の重みで肩が悲鳴を上げだしたが、まだまだ順番はまわってきそうにない。(つづく)

良いお母さんぶるのはやめた

夫と長男が風邪を引き、誰1人治りきらないうちに次男へも風邪がうつり、わたしが最後の砦だからと踏んばっているところへ、夫が風邪をぶり返して数日高熱でうなされるほど悪化させ、今日現在、夫と長男の風邪はまだ完治していない…。

多くの人にとって忘れられない日である今日3.11は、わたしの誕生日でもある。

長男は今朝も相変わらず朝ごはんをなかなか食べようとせず、ようやくその気になったと思ったら、今度は食パンにするかスティックパンにするかが決めきれない、何回も何回も意見を変えては愚図ってわたしを困らせる。
申し訳ないが疲れているわたしの導火線は短いのだ、7回目当たりでわたしはキレた。

「いい加減にしてよ!好きな方を食べればいい!でもちゃんと決めて!決めたらもう変えないで!!」

やってしまった…。
子育てのハウツー本に書いてあるアドバイスなど、この全身に覆い被さるような疲労感の前には無力である。

泣きながら謝る長男を見て胸が痛んだわたしは「大きな声で怒ってごめん…。ちょっと疲れてて…。」と謝りながら、怒ったあとで掌を返したように優しくするなんて、なんかDVする人みたいだな…と思った。

その後も長男は着替えない歯みがきしない熱測らないと言っていた。
わたしは自分の歯みがきをしながら、ハウツー本に書いてあった"支度を楽しいゲームにして子供のやる気を引き出そう"というのを思い出した。
そしてすぐに、"そんなんでうまく行けば誰も困らんのじゃ…、それにこっちもそんな気分にさえなれない時があるんですよね…"と勝手に毒づきながら、しかし無理強いした場合の事態を想像し、結局、最悪の未来を避ける為にひょうきん者の仮面をかぶり、身仕度競争ゲームを持ちかけた。

長男はゲームに全く乗ってこず、保育園には15分遅刻し、わたしは自分の無力さを噛みしめながら、重たい次男を抱えて確定申告会場へ向かった。(つづく)

セコ技紹介(時計)

日記の間隔が空いてしまったので、友人とやっているあやしい交換日記に投稿した記事の中から、育児ネタっぽいやつを引っ張ってきて間を埋める、というセコ技をやりました。

セコ技といえば、最近は時計を使って長男(3歳)の行動を促す、という手法を取り入れたのだけど、長男はまだ時間が読めるわけではなく、数字がわかるだけなので、普段は主に長い針の数字で交渉しています。
でも、いまは悪いけどあまり待てない!という時に、秒針を使ってすぐに目的の数字を達成させ、長男に動いてもらう、というセコ技を先日開発しました。

秒針は針が動き続けていてわかりやすいし、もうすぐ来るという緊迫感があるのもいいのか、長男にはめちゃめちゃ効果的です。
32年間生きてきて、こんなに時計の秒針をありがたいと思ったことはありません。

うちの長男に使えるなら、もしかして他の子の役にも立つかもしれない、育児の使える技はどんどん情報交換した方がいい、だって子育てはみんな大変だから…、そんな思いからセコ技を紹介してみました。
みんなもセコ技を開発しよう!

それはまるで魔法のように

7ヶ月の子供のウンコといえば、まだあまり固まっていませんよね?

つまり、ひとたび次男の尻からブブブと音がすれば、それはいつだって背もれウンコとわたしとのせめぎ合い、わたしは背もれを良しとしない2児の母であるから、そんじょそこらの新米母ちゃんたちと一緒にしてもらっちゃあ困るわ、なるべく次男の体勢を維持したまま、片手で股のスナップボタンを外し、すかさずオムツの背中側からティッシュを3枚丸めて挿入、よし、これでウンコ堤防の設置完了、完璧すぎる…、また今日も戦いに勝利した…、背もれgood-bye…、なーんて得意気に次男を転がしてオムツを替えようとしたら、お腹の方から普通にウンコが漏れていました。

ちょっとあんたたち、一体どこを通ってきたの…!?

育児はいつだって思い通りにはいかない出来事の連続ね。

人にはがんばって遊ばねばならぬ時がある

保育園の送迎くらいしか外出しないわたしを見かねたのか、妹がランチ(お互い上の子を親に預け下の子だけ連れて行く手筈)に誘ってくれたので楽しみにしていたのだけど、鼻詰まりで怒る長男の夜泣きが2回、次男の夜間授乳、夫の休日出勤用の弁当作り、洗濯、子供たちと自分の身支度をしたら、さあこれから家を出ようという朝9時半にはクタクタになっていた、出かける前から疲労困憊!の大塚です。

でも、夜には寝込むことになったとしても、わたしは、今日は、絶対に、ランチを食べる…!!そう強い決意をもってのぞみました。

不思議なことに、ランチの店に着くと嬉しくて元気になりましたが、次男のぐずりで順調に体力を削られ、店を出る頃には瀕死状態、しかし頼れるのは己のみ、「家に帰るまでが遠足」の精神で子供たちを風呂に入れ、無事に寝かしつけた次第です。

ランチ中の抱っこで腰と腕を痛めました。夫はまだ帰ってきません!

2015、時間管理宣言

長男を保育園に送っていくのに遅刻が2回続き、わたしの自己肯定感や自己評価が駄々下がり、すべてを寒い冬のせいにして、もう子供たちと一緒に冬眠してしまいたい…。

わたしはご飯を急いで食べようとするだけで、苦しくて息切れがおこるくらい、人生において限られた時間を、優雅に、無駄に、贅沢に使ってきた人間なのに、子育てでは自分の時間を管理しながら、更に子供の時間も管理し、なおかつ時間を守る大切さを教えていかなければならない…。

ああ、わたしがこれまで贅沢三昧してきた時間の使い方に、いよいよツケがまわってきたのね、もうあなたたちとのんびり戯れることはできないみたい、だってわたしの時間はわたしだけのものではなくなってしまったの、だからがんばります、そうしていつか、また胸を張ってあなたたちを迎えにくるわ。そのときまでさようなら。
本当に愛していました。今も気持ちは変わりません。
どうかわたしのことを覚えていてね。きっとよ。

かくしてわたしは、今年の目標を「時間管理」に決めました。