良いお母さんぶるのはやめた

夫と長男が風邪を引き、誰1人治りきらないうちに次男へも風邪がうつり、わたしが最後の砦だからと踏んばっているところへ、夫が風邪をぶり返して数日高熱でうなされるほど悪化させ、今日現在、夫と長男の風邪はまだ完治していない…。

多くの人にとって忘れられない日である今日3.11は、わたしの誕生日でもある。

長男は今朝も相変わらず朝ごはんをなかなか食べようとせず、ようやくその気になったと思ったら、今度は食パンにするかスティックパンにするかが決めきれない、何回も何回も意見を変えては愚図ってわたしを困らせる。
申し訳ないが疲れているわたしの導火線は短いのだ、7回目当たりでわたしはキレた。

「いい加減にしてよ!好きな方を食べればいい!でもちゃんと決めて!決めたらもう変えないで!!」

やってしまった…。
子育てのハウツー本に書いてあるアドバイスなど、この全身に覆い被さるような疲労感の前には無力である。

泣きながら謝る長男を見て胸が痛んだわたしは「大きな声で怒ってごめん…。ちょっと疲れてて…。」と謝りながら、怒ったあとで掌を返したように優しくするなんて、なんかDVする人みたいだな…と思った。

その後も長男は着替えない歯みがきしない熱測らないと言っていた。
わたしは自分の歯みがきをしながら、ハウツー本に書いてあった"支度を楽しいゲームにして子供のやる気を引き出そう"というのを思い出した。
そしてすぐに、"そんなんでうまく行けば誰も困らんのじゃ…、それにこっちもそんな気分にさえなれない時があるんですよね…"と勝手に毒づきながら、しかし無理強いした場合の事態を想像し、結局、最悪の未来を避ける為にひょうきん者の仮面をかぶり、身仕度競争ゲームを持ちかけた。

長男はゲームに全く乗ってこず、保育園には15分遅刻し、わたしは自分の無力さを噛みしめながら、重たい次男を抱えて確定申告会場へ向かった。(つづく)