その働きを金に換算しろ

「99番の方~。」

長かった、待ちくたびれた、途中、乳児と幼児とおぼしき子供を2人連れたお母さんが中待ち合いに入ってきた時は、もはや拝みたくなるほど心の中で労いの言葉をかけていた。

"まだまだここからが長いんですよ…、子供を2人も連れて大変でしょう、そうでしょう、本当にお疲れ様です、いやね、できることなら順番変わってあげたいんですけどね、でも…わたしも連日大変なことが重なって本当に疲れておりまして…、今回ばっかりは変われません…。本当に…すみません…。"

順番を変わってほしいと頼まれた訳でもないのに、心の中で勝手に話しかけて謝りながら、係員の指示に従い確定申告を済ませた。
どうやら万単位のお金が戻ってくることが判明し、わたしは思わず"時給○○円か…"と自分の苦労を金に換算し、まあ、悪くないな…と思った。(つづく)