子育ての孤島より愛を込めて

確定申告会場に着くと、まだ開場してから30分しか経ってないというのに、受付の発券機から出てきた紙には99番と書いてあった。

あたりを見回し、年寄りが多いな…と何となく思ったが、わたしと同じように子供を抱っこ紐で抱えたお母さんも3人ほどいた。
どのお母さんも朝10時前から疲れた顔をしている。

そりゃそうだ…。
わたしは密かな親近感を覚えながら、不機嫌になり出した次男の尻をポンポン叩いたり身体を揺らしたりしてあやしながら、自分の番号が呼ばれるのを待った。

待つ間、どうもインターネットで事前に書類を作って持参すれば、待たずとも提出できたのではないか?という情報を盗み聞きによって得たが、そもそも家でパソコンをのんびり触って作業することさえ難しいのだ…、今のわたしは何をするにも自由がきかない。
ニュースも流行りの歌もお笑いも、何も知らないし分からない、話題にされてもピンとこない、全てがわたしなど存在しないかのように、すごい速さで通りすぎていく。

次男の重みで肩が悲鳴を上げだしたが、まだまだ順番はまわってきそうにない。(つづく)