うらめしや

今朝も長男(3歳)は、夫が会社でもらってきたグループ会社員向けの広報誌を熱心に読んでは、ぶつぶつと独り言をつぶやいている。

ライフやワークについて多角的なアドバイスが書かれたその広報誌には、毎回懸賞がついているのだが、新年一発目は賞品のラインナップが豪華だ。今年はテレビや自転車に混ざって、長男が狙うプラレールが載っていた。

ところで、3歳の子供に"抽選で当たる懸賞"というものの概念を説明するのが難しい。
説明の中から自分に都合の良いところだけ切り取ってしまうので、何度訂正しても、いつの間にか自分が当たる方向で話が修正されており、「弟(次男)が大きくなったら貸してあげれるよ。えらいでしょ?」等と当たった後の妄想を口にしたり、インターホンが鳴るたびに「もしかしてプラレールが届いたんじゃない?」と玄関まで荷物を出迎える日が、かれこれ2週間以上続いている。

一度抽選に当たると次はないという噂、応募するなら賞品が豪華になる新年号しかない、わたしは去年から一年間ずっとこの時を待ち続けていた。

本当は40型テレビに応募したかったのに…。

"小さい子供"というだけで争わずして応募賞品を選ぶことができた長男を、どこかうらめしい気持ちで見つめた。